年金とは、定期的・継続的に給付されるお金のことで、制度の運営手法によって、公的年金と私的年金に分けられます。公的年金は大きく分けて老齢給付・障害給付・遺族給付の3つがあります。
年金をもらっている人を年金受給者と呼び、主に高齢者などを指すことが多いです。一方、私的年金は、公的年金の上乗せの給付を保障する制度で、国民年金基金、確定拠出年金、確定給付企業年金のほか、民間の保険会社などが販売している個人年金保険などがあります。
社会保険とは、一般に会社員の方が加入する健康保険や厚生年金保険を指します。ただし、もっと幅広い保険制度のことを指す場合は、医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険を含みます。
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国民健康保険
国民健康保険とは病気やケガでの出費に対して自己負担が軽減するための保険制度です。「国保(こくほ)」と略して呼ばれることもあります。加入対象者は個人事業主・自営業者で、本人によって保険料の支払いを行うこととなります。病気やケガによる医療費が発生した場合の一般的な自己負担額は一定の基準により決まっていて原則3割の負担となります。3歳未満については2割、70歳以上については1割となっています。出産育児一時金については地域ごとに支給額が異なるため、自治体ごとに確認する必要があります。
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国民年金
国民年金とは公的年金制度のことで、日本国内に住所のあるすべての人が加入を義務づけられている制度です。その人の働き方により加入する年金制度が決まっています保険料の支払いは本人によって行われます。原則として65歳から受け取ることができる保険制度で、保険料を納めた期間、免除を受けた期間によって受け取る年金額は異なります。国民皆年金制度の基礎年金部分(通称「1階部分」)で、老齢・障害・死亡により「基礎年金」を受けることができます。
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私的年金
私的年金とは公的年金の上乗せ部分の準備をサポートする制度で「企業年金」と「個人年金」に分かれます。これらの制度には各種の税制優遇措置が設けられ、積極的な活用が奨励されています。企業年金は企業が従業員のためにお金を出す制度で、その種類は「確定給付企業年金制度(DB)」「確定拠出年金(DB)」「厚生年金基金」の3つがありますが、現在は「DB」と「DC」の2つの制度が主流となっています。一方、個人年金は、個人が自分たちの老後資金を準備するために利用する制度で、国民年金基金、個人型確定拠出年金(iDeCo)、そして民間の保険会社が販売する年金保険などがあります。
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国民年金基金
国民年金基金は、会社員に比べて老齢年金が少ない自営業者やフリーランスの老後の所得保障を目的に導入された制度です。都道府県ごとの「地域型」と、職種ごとの「職能型」があり、どちらか1つの基金を選択して加入することができます。加入できるのは国民年金の第1号被保険者のみで会社員の人は加入できません。掛け金の変更は可能ですが上限があります。また、国民年金基金には税制上のメリットがあり、その掛金は、負担した全額が社会保険料控除として所得控除を受けることができます。
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社会保険
社会保険とは会社で働き始めた時に加入する「健康保険」「厚生年金」「介護保険」のことを指します。「健康保険」は、病院で受診する際に健康保険証を出すことにより原則として治療費の3割の負担で済むことで、制度自体を良く知っている人は多いともいます。「厚生年金」は民間企業に勤めている労働者が加入する公的な年金制度です。国民年金の上乗せ部分となるもので、国民年金基金と同様に2階建て部分と呼ばれるものです。「介護保険」は健康保険とセットになる制度ですが40歳になった月から加入する保険です。介護をする上での経済面や体力の負担を軽減しようという制度です。
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確定給付年金(DB)
確定給付年金(DB)とは企業年金の一種で、会社が積み立てて、運用・管理して、給付するという仕組みで、「給付が確定している」ということが大きな特徴です。つまり、会社側が責任を持って準備をしてくれる制度と言えます。最近は確定拠出年金に注目が集まってきているものの、まだまだ確定給付型の企業年金は日本に広く普及しています。「選択制の確定給付年金」の制度は個人の退職金や年金の受け取り方の選択肢を広げる意味もあり、導入する企業も増えてきています。
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確定拠出年金(DC)
確定拠出年金とは企業型と個人型があります。いずれも老後の公的年金を補完する制度ですが企業型は会社の退職金制度であり、企業型は会社や加入者が毎月一定額の掛金を拠出して、自分自身で運用します。支払われた掛金が自分の口座に積み立てられ、運用して得られた給付金が将来的には自分の年金の原資となる仕組みです。個人型(iDeCo)は自分で自分の掛け金を支払い、老後に備える制度です。「貯蓄から資産形成へ」という国のスローガンのもと特に個人型は注目を集めています。
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iDeCo(イデコ)
iDeCo(イデコ)とは、「個人型確定拠出年金」の愛称です。パッとしない名前ですが、老後資金を自分で作るための有利な制度です。60歳までの間に毎月一定の金額を掛け金として出して、そのお金で投資信託や定期預金、保険などの金融商品を選んで運用します。そして60歳以降に運用した資産を受け取るというものです。所得税や住民税の負担が軽くなるほか、運用期間中に得られた利益に税金がかかりません。さらに運用した資産を受け取る時にも節税メリットがあります。